下館和巳のイギリス日記




Vol.20   2003.8.17

    ストラトフォードで蜂に刺される

 イギリスに来てから初めてシェイクスピアの生誕の地 を訪れた。10年前、グローブ座ができる前は、毎月 のように行っていたのに、この度は、帰国直前にたった 一回である。

 昔よく通ったシェイクスピア・センターのライブラリ ーの扉を開けるや否や、僕は首に激痛を覚えた。どうや ら蜂に襲われたようなのだ。

 ひどく痛んだが、図書館の親切な司書さにや手当てを してくれた守衛さんのお陰で、お陰様で大事に至らずに 済んだが。守衛さんが「こんなこと滅多にないですよ」と 言ってくれた後に「あなたを待ち伏せていたとしか言いよう がありませんね」と真顔で言う。

 僕は、真剣に、シェイクスピアさんに「どうしてこんなに ご無沙汰してたのか?」と叱られたような気がした。

 大雨だったけれども、久しぶりに、シェイクスピアさんの お墓参りをした。

 これまでのことにお礼を述べ、来るべきハムレットのこと をお祈りした。ここに来ると、なぜか、力が沸いてくる。