下館和巳のイギリス日記




Vol.17   2003.8.11

 帰国直前まで、いくつかの川柳みたいに
短い日記を書いてみようかなと、思う。

 帰国の日が刻々と迫っている。
心境は、ナイアガラの滝に近づいている感じ。 ちょっと大げさかもしれないが、観念したという 感じでもある。

 二歳になっても歩けなかった次女が七月に なって、突然三歩、歩きだし、英語と格闘して いた長女が七月になって突然、親がたじろぐよう な勢いで英語を喋りだしたように、シェイクス ピアがわからなくなってきた・・と悶々として いた僕も、憑き物でも落ちたように、ハムレッ トに目覚め始めた。どんなものにも季節という のがあるのかもしれない。

 でも、僕の場合はやるぞ-っていう風じゃない、 なんだかモンティパイソンのお兄さんみたいに、 頓馬で軽いのだ。

 あと一年いや、せめてあと三ヶ月ここにいたい、 と思いつつも、今は、懐かしい日本の友人達の顔 が見えて、ああ、皆に会いたいなと思っている。